はじめに
こんにちは。異世界に転生したとき、畑で何を育てるかは生死を分けることがあります。今回は、トウモロコシの生産性について解説します。なぜこの作物が、新大陸から旧大陸の人口を大きく変えたのか。転生先で役立つ視点も交えて、順番に見ていきましょう。
なぜ注目されるのか

同じ広さの畑からどれだけ食べ物を得られるか。これは飢饉を防げるかどうかに直結する問題です。その意味で、トウモロコシは世界史の中でも特に効率のよい作物として知られています。
ポイント
- 飢饉を防げるかは収量で決まる
- 同じ畑でも作物しだいで差が出る
ルーツはメキシコ

トウモロコシの祖先は、メキシコ南部に生えていたイネ科の草、テオシントだったと考えられています。今からおよそ九千年前に栽培が始まり、人が長い時間をかけて選んで育てた結果、粒が大きく実の太い今の姿になりました。
小麦より多くのカロリー
現代の世界の平均的な収量で比べると、トウモロコシは小麦の一・五倍から二倍ほどのカロリーを、同じ面積から得られることがあります。もちろん土地や品種で大きく変わりますが、これが人口を支えた大きな理由のひとつです。
多くとれる仕組み
トウモロコシは、C4光合成という仕組みをもつ植物です。強い日差しと高い気温のもとで、効率よく糖をつくれます。さらに一本の茎から大きな穂が出て、一つの穂に数百の粒が並びます。
新大陸から旧大陸へ
一四九二年にコロンブスが新大陸に到達すると、トウモロコシはヨーロッパへ運ばれました。その後、アフリカやアジアへも広がり、暖かく水はけのよい土地では、重要な食料のひとつになっていきます。
注意点:煮ずに食べると
ただ、注意点もあります。トウモロコシには、ナイアシンという栄養素を体に取り込みにくい性質があります。石灰水で煮る処理をせず、粉のままの食事を主食にし続けると、ペラグラという病気が広がることがありました。メキシコの人々は、この処理を昔から行ってきました。
実践編①使いどころ

ここからは異世界での実践編です。たとえば領主の土地に、夏が暑く、水を引ける畑があるとします。麦が不作になりやすい開墾地なら、トウモロコシを新しく植える価値があるかもしれません。商人なら、粉にして保存できる食料として売る道もあります。
ポイント
- 夏が暑く水を引ける開墾地
- 麦が不作になりやすい土地
- 保存できる粉は商品にもなる
実践編②導入の条件
導入には条件があります。霜が明けて、地面が十分にあたたまってから種をまけること。肥えた土か、家畜の糞などの肥料があること。そして、雨の少ない時期に水を補えることです。逆に、夏が短く、実る前に冬が来る地域では、育ちきらずに終わってしまいます。
実践編③その世界流の工夫
いきなり全面的に切り替える必要はありません。まず畑の一角で試し、石灰水で煮て粉にする手順を身につけます。そして、豆を一緒に植えるのも昔からの知恵です。豆の根には空気中の窒素を土に蓄える働きがあり、トウモロコシの肥料切れを助けてくれます。
実践編④効果の程度

効果は、土地と天候しだいで大きく変わります。一年目から収穫が倍になると考えるのは危険です。まずは家族が食べる分を確保できたかを確かめ、次の年に面積を少しずつ増やしていく。派手さはありませんが、飢えにくい村をつくる確かな一歩になります。
実践編⑤次の一手
粉にして保存できるようになれば、次は乾燥させた粒を貯蔵庫にため、余りを家畜の飼料にする発展が見込めます。さらに収穫後の茎や葉を堆肥に戻せば、畑の地力を次の作物へつなげられます。
まとめ
今回のまとめです。トウモロコシは、強い日差しを生かして、同じ面積から多くのカロリーを得られる作物です。ただし、石灰水での処理や豆との組み合わせを忘れないこと。転生先でも、まずは小さな畑から試してみてください。次の回もお楽しみに。
ポイント
- 同じ面積で多くのカロリーがとれる
- 石灰水で煮る処理を忘れない
- まずは小さな畑から試す
参考・出典
- Maize(Encyclopaedia Britannica)
- Pellagra(Encyclopaedia Britannica)
- FAOSTAT(作物別の収穫量統計)(国連食糧農業機関(FAO))