イントロ
もしあなたが異世界に転生して、パンを焼くことになったら。ふっくらと、やわらかく、いい香りのするパンを作れたら、どうでしょう。そのカギをにぎるのは、目に見えないほど小さな、ある生き物です。今回のテーマは、パンと、酵母。ただの粉のかたまりが、ふんわりふくらむ、その不思議な仕組みを、まるごと解説していきます。
パンは主食の王
まず、パンは、多くの土地で、主食の王さまでした。小麦などの粉を、焼いただけの食べ物ですが、これが、すぐれもの。持ち運びやすく、ある程度は、日もちする。畑でとれた穀物を、おいしく、食べやすい形に、変えてくれます。パンを、うまく作れることは、その土地の、食の豊かさに、直結していました。
要点(スライド):
- 穀物をおいしい形に変える
- 持ち運べてある程度日もち
- 食の豊かさに直結する
ふくらまないパンの世界
ただ、粉と水を、こねて、焼いただけでは、パンは、うすくて、かたい、せんべいのようになります。かむのに苦労する、ずっしりとした食べ物です。世界には、こうした、ふくらまないパンも、たくさんあります。では、あの、ふんわりした、やわらかいパンは、いったい、どうやって、生まれるのか。ここに、大きな秘密が、かくれています。
要点(スライド):
- こねて焼くだけでは硬い
- うすく重いパンになる
- ふくらみには秘密がある
酵母という小さな職人
その秘密が、酵母です。酵母とは、目には見えないほど小さな、菌のなかま。いわば、微生物の、パン職人です。この小さな生き物が、生地のなかで、せっせと働くことで、かたいだけの生地が、ふんわりと、生まれ変わる。パンづくりとは、じつは、この、小さな職人たちの、力を借りる作業なのです。
要点(スライド):
- 目に見えない小さな菌
- 生地の中でせっせと働く
- その力を借りて作る
発酵の仕組み
では、酵母は、生地のなかで、何をしているのか。答えは、食事です。酵母は、粉にふくまれる、糖を、えさとして食べます。そして、その、お礼のように、二酸化炭素という、気体のあわを、出していく。この、糖を食べて、あわを出す、という働きを、発酵と呼びます。パンがふくらむ力は、じつは、酵母の食事から、生まれているのです。
生地がふくらむ理由
けれど、あわが出るだけでは、ふくらみません。ここで活躍するのが、小麦の生地がもつ、ねばりです。よくこねた生地は、内側に、ゴムのような、のびる網を作ります。酵母が出した、あわは、この網に、しっかりと、とじこめられる。あわが、たまるほど、網ごと、風船のように、ふくらんでいく。だから、生地は、大きくなるのです。
要点(スライド):
- あわが出るだけではだめ
- こねると粘りの網ができる
- 網があわを包んでふくらむ
天然酵母の起こし方
では、酵母は、どこで手に入れるのか。じつは、酵母は、空気中や、穀物の皮に、もともと、ひそんでいます。粉と、水を、まぜて、あたたかい所に、数日、おくだけ。すると、野生の酵母が、自然に集まって、増えていきます。ぶくぶくと、あわが立てば、成功。これが、種おこし。あなただけの、パン種の、たんじょうです。
要点(スライド):
- 酵母は空気や穀物にいる
- 粉と水を数日あたたかく置く
- あわが立てば種の完成
温度と時間
うまく発酵させる、こつは、温度と、時間です。酵母は、あたたかい所では、元気に働き、生地は、はやく、ふくらみます。寒いと、ゆっくり。ただし、熱すぎると、酵母は、弱って、死んでしまう。人の肌くらいの、ほどよい、あたたかさが、ちょうどよい。じっくりと、時間をかけると、風味も、ぐっと、増していきます。
要点(スライド):
- 温かいと速くふくらむ
- 熱すぎると酵母が死ぬ
- 時間をかけると風味が増す
焼くと固まる
じゅうぶんに、ふくらんだら、いよいよ、焼きます。かまどの熱が、生地に伝わると、中の、あわが、さらに、ふくらむ。そして、外側は、こんがりと、かたい皮になり、ふくらんだ形を、しっかりと、固定します。焼く、という工程は、やわらかい生地を、香ばしく、食べられるパンへと、仕上げる、最後の、魔法なのです。
パンと酒は兄弟
おもしろいことに、この酵母は、お酒づくりにも、使われます。じつは、パンも、お酒も、糖を、酵母に、発酵させる、という点では、兄弟のようなもの。パンは、あわの、二酸化炭素を使い、お酒は、いっしょにできる、アルコールを、使う。たった一つの、微生物の力が、主食と、楽しみの、両方を、支えているのです。
要点(スライド):
- 同じ酵母で酒も造れる
- パンはあわ、酒はアルコール
- 一つの微生物が両方を支える
異世界での使い道
もしあなたが異世界で、これを広められたら、食卓が、変わります。かたいパンしか、知らない土地に、ふんわりした、パンを、もたらせる。種おこしを、教えれば、誰でも、くり返し、パンを焼ける。栄養があり、日もちして、みんなが喜ぶ、主食。パンづくりの知識は、人々の暮らしを、確実に、豊かにしてくれる、うれしい贈りものです。
要点(スライド):
- ふんわりパンをもたらせる
- 種おこしで誰でも焼ける
- 暮らしを確実に豊かにする
まとめ
粉と、水と、目に見えない、小さな酵母。この組み合わせと、ねばりの網、そして、ほどよい温度さえ、あれば、かたい生地は、ふんわりとした、パンに、変わります。もしあなたが異世界に転生したら、思い出してください。あなたの手のなかの、小さな菌たちが、毎日の食卓を、あたたかく、しあわせに、してくれるはずです。