イントロ
もしあなたが異世界に転生して、国を強くしたいなら。カギをにぎるのは、金属です。人類は、まず、青銅を使い、やがて、鉄へと、乗りかえました。ふしぎなのは、鉄は、青銅より、ずっと扱いにくいのに、世界中に広まったこと。今回は、その、意外な理由を、解説していきます。
青銅の時代
金属を使う、はじまりの時代は、青銅の時代でした。青銅は、銅に、少しの錫を、混ぜた合金です。石よりも、はるかに丈夫で、剣、おの、農具、そして、美しい祭りの道具まで、あらゆるものが、青銅で作られました。長いあいだ、青銅こそが、力と、富の、象徴だったのです。
要点(スライド):
- 最初の金属時代は青銅
- 銅に錫を混ぜた合金
- 武器も道具も祭器も青銅
青銅とは何か
では、なぜ、銅に錫を、混ぜるのでしょう。じつは、銅だけでは、やわらかすぎて、刃物には、向きません。そこへ、錫を、少し加えると、ぐっと硬くなる。しかも、青銅は、比較的、低い温度で、どろどろに溶けるので、型に流しこむ、鋳造が、とても、やりやすい。加工の、しやすさこそが、青銅の、大きな魅力でした。
青銅の弱点
ところが、青銅には、大きな弱点が、ありました。錫が、ひじょうに、希少なのです。銅は、各地で採れますが、錫の産地は、ごく、限られている。だから、遠くから、運んでくるしか、ありません。もし、その交易路が、一度、とだえれば、青銅は、もう作れなくなる。値は高く、金属は、一部の有力者だけの、ものでした。
鉄鉱石はどこにでも
そこで、注目されたのが、鉄です。鉄の原料となる、鉄鉱石は、じつは、地上に、ありふれています。山肌や、沼の底、砂鉄まで、さがせば、たいていの土地で、手に入る。錫のように、遠くから運ぶ、必要も、ありません。これほど、豊富な原料が、なぜ、すぐには、使われなかったのか。その理由は、次に、あります。
要点(スライド):
- 鉄鉱石は地上にありふれる
- 山肌・沼・砂鉄から採れる
- 遠い交易がいらない
鉄は溶けない
問題は、鉄が、とても、溶けにくいこと。青銅は、およそ、九百五十度で、溶けますが、鉄が溶けるのは、千五百度を、超えてから。昔の炉では、せいぜい、千二百度ほどしか、出せませんでした。だから、鉄は、どろどろにならず、海綿のような、かたまりの、まま。これを、何度も、叩いて鍛え、不純物を、追い出す、必要が、あったのです。
高温と還元
では、その、高い温度を、どう作るか。カギは、木炭と、ふいごです。木炭を、大量に燃やし、ふいごで、風を、送りこむ。すると、炉の中は、ぐんぐん高温になり、さらに、木炭から出る、一酸化炭素が、鉄鉱石から、酸素を、うばいます。これを、かんげん、還元といい、これで、はじめて、鉱石が、鉄へと、生まれ変わるのです。
要点(スライド):
- 木炭とふいごで高温にする
- 一酸化炭素が酸素をうばう
- これを還元という
鉄が青銅を超えた理由
これほど、手間がかかるのに、なぜ、鉄は、青銅に、取って代わったのか。答えは、原料の、豊富さです。錫の交易に、頼らずとも、鉄は、自分の土地で、安く、大量に、作れる。しかも、炭素を、うまく含ませて、鋼にすれば、青銅を、上回る硬さも、出せます。手間さえ、乗りこえれば、金属が、ようやく、万人の手に、届いたのです。
異世界での使い道
さて、これを、異世界で活かすなら、鉄こそ、国づくりの、切り札です。もし、あなたの領地に、製鉄を、根付かせられれば、丈夫な農具で、畑を、大きく耕せる。兵には、鉄の武具を、行き渡らせられる。錫を、買い集める必要も、ありません。豊かな実りと、強い軍。その、両方を、支える土台に、なるのです。
要点(スライド):
- 丈夫な農具で畑を耕せる
- 兵に鉄の武具が行き渡る
- 錫を買い集めなくてよい
導入の手順
始め方には、順序が、あります。まず、鉄鉱石や、砂鉄を、探す。次に、木炭を、大量に、用意する。炉と、ふいごで、高温にし、鉱石から、酸素を、うばう。できた、鉧を、叩いて鍛え、不純物を、抜く。最後に、炭素を含ませ、焼き入れをして、鋼に、仕上げる。この流れを、一つずつ、確実に、身につけていきます。
効果と注意
効果は、絶大です。金属が、広く行き渡れば、農業も、建築も、戦のかたちも、大きく変わります。ただし、注意も、いります。製鉄には、膨大な、木炭が、必要で、森を、使いすぎれば、はげ山に、なってしまう。木を、計画的に、育てながら使う。この、目くばりこそが、鉄の文明を、長く、支えていくのです。
要点(スライド):
- 金属が行き渡り社会が変わる
- 木炭を大量に消費する
- 森を育てながら使うのが要
まとめ
青銅から、鉄へ。それは、扱いやすさよりも、原料の、手に入りやすさが、勝った、大逆転でした。手間は、かかっても、どこでも作れる、鉄。この、地に足のついた、金属が、多くの人の、暮らしと、国を、力強く、支えていきました。もし異世界に立ったなら、その手で、鉄の時代の、扉を、開いてみてください。